年度更新って何?労働局から黄緑色の封筒が届いたらやることを解説します!

早いもので、もう6月に入りましたね!

この時期、多くの会社さん宛に

労働局から黄緑色の封筒

届いていませんか?

急に届いたこの封筒。

何のことだかわからず

そのまま放っておいてしまっていませんか?

これは、【年度更新】といって

①今年度の労働保険料を精算して

②次期の労働保険料を先払いする

手続きのための書類セットなのです。

つまり

今年の今時期に届くのは

2021年4月〜2022年3月(過去)

までの年間の保険料を精算し

2022年4月〜2023年3月(未来)

までの保険料を先払いするための

書類セット ということになります。

はじめてこの年度更新する人は

「精算?」と思われるかもしれません。

思い出してください。

労働保険に初めて加入したときや、昨年度。

概算保険料の申告というものも一緒にやって

労働保険料を納付しませんでしたか?

このとき納付した労働保険料は、あくまでも仮の金額。

年度が過ぎたところで、実際に支払ったお給料の金額に保険料率をかけて、保険料を確定させます。

そして、先に納付した仮の労働保険料との差額を精算していくのです。

この黄緑色の封筒に入っている書類を使って

納めるべき労働保険料を【申告】します。

申告した保険料は毎年7/10(10日が土日の場合は翌平日)までに納付しないといけず

納付期限が過ぎてしまうと延滞金がかかり

本来支払うべき保険料にプラスして支払わないといけなくなってしまいます。

いわゆる皆様おなじみの所得税の【確定申告】みたいな感じですね!

ここでは、年度更新の手続きの流れを紹介していきます。

※具体的な書類の書き方は

同封の【手引き】に書いてあります。

※建設業は集計方法が特殊です。こちらでは、一般の事業で、事業の期間に定めがない場合の手続きの流れをご紹介します。→【継続事業】といいます。

①前年4月支給分(または4月分)から今年3月支給分(または3月分)の賃金台帳を用意します。

全従業員(役員は除きます。労働保険は「労働者」のための保険なので。)の賃金台帳を用意します。

アルバイトやパートタイムの方の賃金台帳も、全員分用意します。

いわゆる「正社員」さんだけではなく

アルバイトやパートの方も【労働者】であり、労働保険の対象だからです。

②各月の給与の総支給額と支給人数を集計します。

※通勤手当も含めて集計します。

※賞与を支給した場合も、総支給額を集計します。

黄緑色の封筒に入っている

【確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表】に書いていきましょう!

※厚生労働省で出しているエクセルの集計表を使うと良いですよ!

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yousiki.html

こちらのページ下の方の「年度更新申告書計算支援ツール」が便利です。

このとき、

・雇用保険に入っている人…常用労働者といいます。

・アルバイトやパートさんで雇用保険に入っていない人…臨時労働者といいます。

(・役員だけど労働者扱いの人 ※たとえば、役員報酬とお給料と両方もらっている人)

に分けて集計しましょう。

何故分けるのかというと

雇用保険に加入している人と、加入していない人とでは

後ほど申告書上でかける料率が違うからです。

③確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表 で集計した数字を参考にして、申告書を仕上げましょう。

黄緑色の封筒の中には複写式の【申告書】が入っています。

この申告書に②で作った集計表を元に記入・計算していきます。

今年は、概算保険料の「雇用保険料」は要注意!R4.10月から雇用保険料率が変わります。

そのため、概算保険料算出の元となる集計額の半分を現在の料率で、半分を10月からの料率で計算した上で合算し雇用保険料を算出します。

たとえば、概算保険料の雇用保険適用の方の年間の集計額が1000千円とすると

500千円は旧料率をかけ、500千円は新しい料率をかけて算出し、合算することになります。

記入する単位は、申告書左側の記入スペースは【千円】だったりするので注意してくださいね。

※右側の計算結果は円単位です。

そして、申告書の下の方には

労働保険料を納付するための【納付書】がくっついています。

納付書にも申告書で算出した納付金額を記入していきます。

※分納(労働保険料を分割して納付する場合は、第1期分の金額を記入しましょう!分割したときに出た端数は第1期に含めます。

④7/10までに申告書を管轄の労働局へ提出・納付書を銀行に持っていって、労働保険料を納付します。

申告書の下の納付書を切り取り線に沿って切り取ります。

これを銀行へ持っていって、労働保険料を納付します。

申告書は管轄の労働局に提出します。

郵送でも提出が出来、提出先の労働局の住所は、申告書の右上に書いてあります。

これで、おしまいです。

そして、来年も同じような作業をします。

先払い→精算&先払い→精算&先払い→…

と続いていくのです。

最近では、給与ソフトが自動で算定基礎賃金集計表を作ってくれたりもしますね!

給与ソフトを使うときに注意したいのが

労働者の区分】だと思います。

役員なのか、常用労働者(雇用保険に加入している)なのか、臨時労働者(雇用保険に加入していない)なのか

従業員の情報を入力するときにそこの区分を誤ると

正しい保険料の計算ができなくなってしまいます。

また、お給料の項目(「基本給」とか「役職手当」とか)も、

労働保険の計算の対象にするかどうか

を選択しないといけない仕様のソフトもありますよね。

そこの選択を誤ってしまっても

正しい集計ができなくなってしまいます。

例えば「役員報酬」なのに、労働保険の計算対象にしてしまっていた!

ただの「経費精算」なのに労働保険の計算の対象にしてしまった!

なんてことがないようにしないといけません。

賃金の計算をする前に、設定に誤りがないかどうかを確認するようにしましょう♪

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